こんにちは、アジャイルジェイピーのMです。
私はもう50歳を超え、ITエンジニアとしてのキャリアも30年近くになります。
振り返ってみると、後悔していることの一つに
「若いうちにもっとIT関連の資格試験に真剣に取り組むべきだった」
というのがあります。
子どもの頃からパソコンが好きで、大学では情報系の学科に所属し、研究室のUnixサーバーを管理していました。
社会人になってからも、現場での技術的な用語がわからず、先輩との仕事上のコミュニケーションに困ることはほとんどありませんでした。
しかし、ITの資格は基本的に業務独占資格ではないため、取得に対する意欲がわかず、忙しいことを理由に受験を避けてきました。
でも、職務が高度化するにつれて外部の人とのコミュニケーションが増え、「どの程度のIT知識があるか」を示し「IT知識の拡充に日々努力しています」と言えないと、お客様から信頼を得るのに苦労することに気づきました。
また、資格試験の勉強を再開すると、経営や会計、契約など、単にプログラムを書いて顧客先で実行するだけでは身につかない多くの知識が自分には足りていないことが明らかになりました。
IT資格の取得が必要かどうかはよく議論されますが、「私は取らなくても何とかなったから、あなたも大丈夫」というのは、ただの生存者バイアスです。
この考え方は、安全地帯から出なくても仕事が続く幸運に恵まれただけの話で、あまり鵜呑みにしない方が良いでしょう。
年を重ねるごとに仕事の責任が増え、学びに使える時間を確保するのが難しくなります。そのため、可処分時間の多い若手のうちに資格試験の勉強に取り組み、資格を取得することをお勧めします。
初期段階では、知らない用語を調べることが果てしなく感じられるかもしれませんが、繰り返し学習することで、それがやがて「常識」となります。ITの常識を広げることで、顧客の要件を素早く理解できるようになり、効率的で精神的にも余裕のある仕事が可能になります。
心の余裕があれば、新しい学びへのチャレンジも可能になります。
また、IT業界の細分化が進む中で、専門用語や資格も増えています。全てを網羅するのは無理なので、自分が専門化したい分野を選び、それを周囲にアピールすることも重要です。
こういう案件がやりたい
というのと、
こういう案件がやりたいので、こういう資格を取りました
というのとでは、どちらが決定権を持つ人に強く思いが伝わるかは自明です。
IPAの基本情報処理試験をまずは目指し、その上で応用情報技術者試験や高度試験のうちの一つ、またはLinux系のLPIC、AI関連のG検定や統計検定、そしてパブリッククラウド(AWS、Azure、GCP)の資格試験を目指すと良いでしょう。
そして、最近はCBT方式の試験も多く、いつでも受験できるため、つい先延ばしにしてしまいがちです。
なので、トレーニング中に一度でも合格ラインに到達したらすぐに試験日を決め、申し込んでからの追い込みが、精神的にも効果的です。
IT資格は業務において必須ではありませんが、果てしなく新しい用語の湧いてくるIT業界にあって、学び続けることのできる環境を整えていくために資格試験に取り組むというのは十分にアリだと思います。